5年前の教訓生かせず
忙中不摂生に痛風炸裂
ところで痛風は英語でgoutというらしい
さしずめ痛風病み上がりのエントリー書きは
ghost writerならぬgout writerとでも言えようか
しかし、gout, ghost, ghoul 似たような英単語は
いずれもろくなものがない薄気味悪いものばかりだ
こんなのに取り付かれるのはまっぴらご免でやんす !
gout⇒ go out⇒ get out 変調変格活用?でおさらばだ ??
ところで、
いつも楽しく読んでいる佐伯泰英氏の時代小説『密命』だが、痛みで歩行がままならぬ療養中に『21巻 相剋』を読み終えた。
20巻で佐渡から江戸への帰途についた清之助は、上州片品村で進路を転じ陸奥仙台を目指していた。片品村→会津檜枝岐村→尾平→館岩村→田島村→下郷村→本郷村→会津若松→喜多方→米沢→山形を経て21巻で登場するのが笹谷峠である。5月連休に走った山形自動車道に同名の長いトンネルがあるがその当りだろう。
一方、清之助が陸奥に転じたのと前後して惣三郎と神保桂次郎も江戸を後にして海岸沿いの磐城・相馬街道を経て仙台城下に入る。訪れた道場で清之助が城下に入っている事を聞き、急遽、仙台城下での最後の修行を変更し、清之助とすれ違うように山形の立石寺に転じている。また、江戸では清之助の帰りを待つしのの気苦労を案じた二人の娘がしのと三人で菊屋敷に出向き静養する。
こんな舞台背景のもと、清之助と桂次郎を中心にした剣修行が展開されるのだが、読んでみて、これまでの密命と比べてどうも盛り上がりに欠ける感じがする。
惣三郎が主人公として登場した密命前半は、将軍跡目相続に敗北した尾張徳川が画策する吉宗暗殺に対峙し密命を演じる惣三郎がいた。そして惣三郎をとりまく江戸市井の登場人物も惣三郎家族も毎回、実に機微に満ちた役割を演じていて、これが命をかけた勝負一筋の惣三郎を何とも言えないいい感じで取り巻いていた。暗殺側も毎回特徴のある悪者ぶりで時には惣三郎も深手を負って命を落としかけるほど手強さを有していた。真剣勝負の緊迫感に家族と市井の人情がうまくあいまったいい味を出していた。時には惣三郎に想いをよせるいなせなお京の立て膝博打に女盛りの色香が漂った場面もあった。小生は密命のそんなことこんなこと全てに惹かれるのである。
話を戻そう。21巻はそれが少し希薄になっているのではなだろうか?時代小説の大御所に対してど素人がいささか不謹慎きわまりないが、惣三郎が一線を退き息子清之助の武者修行に主題が移り、しかもそのゴールを吉宗天覧試合に収束させた段階で、もはや前半の興趣溢れた密命たるものは消失し、更に強い強いの清之助に対していささか無理筋の桂次郎育成をぶつけるしかない展開は、密命としてかなり厳しい感じがする。そんな中で21巻は吉宗天覧試合への単なるつなぎでしかないようにも思えるが??
密命は惣三郎一代で終結させておいた方がよかったのではないか?如何に書下ろしの佐伯泰英をしても多作過ぎるのではないか?そのため少し練りが不足し始めているのではないか?そんな感じがしたので、密命全巻のページ数(=行数)を数えてみた。結果は明らかに初期に比べていろいろなシリーズを同時並行的に多作しはじめた移ろいに合わせて減少している。ページ数の減少が多作に起因するだけでなく更に中身の空洞化に繋がらないことを願う密命ファンの戯言である。
われらがサラリーマンの時代小説の神様は、きっとその向こうに夢中になって目くるめく密命のエンディングをファンに用意してくれているのだろう。22巻は半年先の年末発刊だ。楽しみに心待ちしよう。。(閑話)
■関連情報
▼密命21巻・相剋と山寺の謎(My Blog)
▼佐伯泰英『密命20巻 雪中行』(My Blog)
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