今年わずか10万ルピー(約27万円)で発売される『ナノ』」は、4ドア、5人乗りで、624ccのエンジンを搭載している。外見はダイムラーの『スマート』にそっくりだが、基本モデルにはエアコンもパワーウインドーもパワステもない。デラックスモデル2種類にはこれらの機能が装備されている。国内をターゲットに、2輪車から4輪車への乗り換えを期待する。
今、世界は小型車ブームで、フォルクスワーゲンの『ゴル』や日産の『ツル』、ルノーの『クリオ』などはすでに中南米や欧州のベストセラーだそうだ。06年〜11年の自動車需要増加の約半分は、小型で安い車に対する需要が強いブラジル、ロシア、インド、中国など所謂BRICsからくると予測されている。従って、世界の主要な自動車メーカーは、現在、こぞって安くて燃費のよい小型車の開発に力を入れている。新興市場で売れて先進国にも輸出できる車だ。
昨年まで世界戦略車的な位置づけの小型車はルノーの『ロガン』のような1万ドル未満の車を指していたが、『ナノ』の登場により目標価格は5000ドル未満まで下がってきた。インドで生産しているスズキの『マルチ800』が約5000ドルで世界で一番安い車だったが、『ナノ』の登場によってインド国内での厳しい販売競争に巻き込まれるのかもしれない。
ところで、タタは『ナノ』をして『ピープルズカー』と呼んでいるらしいが、今から50年前、戦後の傷がいえて高度成長に向かい始める頃の日本では、まだクルマといえば商用車がほとんどであり、一般家庭にとって乗用車を持つことは夢のような時代だった。そこで国産乗用車の開発・普及を進め、それにより日本の自動車産業を育成していこうという乗用車の普及促進政策が通産省によって打ち出され、それに呼応するように、『てんとう虫』の愛称で親しまれた『スバル360』や『パブリカ』が開発された。年代にすると昭和33年(1958年)頃になる。人気番組だったNHKのプロジェクトXで『スバル360』の開発秘話を見たことがあるが、最後の開発難関スプリングを『ねじり棒バネ』?とかでクリアーした話が印象深く、英国産のミニが国内を走るのを見て、無駄をそぎおとした国産開発技術の粋をつくした可愛い名車をなぜ改善的に維持発展させないのかと思ったりもしたものだった。
下記URLより参照させて頂いたスバルのカタログでは『スバル360は、これからの時代の国民車』とコピっているが、タタのピープルズカーも似たようなものだろう。パブリカは販売キャッチコピーとして『1000ドルカー』を使っていた。1ドル360円の頃だから換算すると36万円。。時代は隔たっているが、どこか似ている。
『ピープルズカー=国民車』とすれば、両国の経済発展には50年の開きがあるわけで、『そういえば50年前にそんな車を開発したよね。おたくも、そこまできましたか。これから先、50年いろいろ大変ですよ。困ったことがあれば何でも相談してください。お互いアジアがんばりましょう」なんて余裕の余裕といった豊かに社会資本を蓄え成長させてきた社会も個人も大人ってな国になっていればよいのだが、どうなんでしょうね?
とりとめもない話、閑話になってきたので、これにて。。(閑話)
■関連情報
▼タタの『ナノ』3月23日からインド国内発売へ(09/2/28追加) ▼カタログで見る昭和30年代の車
▼同上(スバル360)
▼同上(トヨタ・パブリカ)
▼トヨタ・パブリカ(Wikipedia)
▼SUBARU博物館(SUBARUオフィシャルWebサイト)
▼Tata Motors unveils the People’s Car(Tata Motors)
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